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   『☆あそんでなんぼ!☆ゾウサンの「子どもと仲良し!」』 第7号
                         素敵なお絵かき・前編

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こんにちは!
子ども向けあそびユニット「早朝(ゾウサン)」の、
小倉げんきです。


僕たちのサイト、
「☆あそんでなんぼ☆早朝(ゾウサン)」
http://zousan.nomaki.jp/)では
子ども向けのコンテンツの一つとして
ぬりえのダウンロードコーナーがあります。

最新のぬりえとしては、
「らぶ−女の子とハート」
が11/21に登場しました。

描いているのは、僕です。

「らぶ」は女の子向けのぬりえも欲しい、
というリクエストで描いたのですが、
いかんせん自分が描き慣れていない絵柄のため
ずいぶん時間がかかってしまいました。

女の子の絵も、まだまだ精進が必要です。


ちなみに、僕は一つのぬりえを描くのに
大体5〜10枚くらいの資料を用意しています。
今回は、いわゆる「萌え〜」な絵を大量に集めて
参考にしました。


参考にするとなると、その絵をじっくり見る必要があり、
その対象に好奇心を持たなければ描く事ができません。

ふむ、ついに僕にも「萌え〜」の良さが判ってきたのです。


ところが、それを知った相方のゆーたんが一言

「きもい」と。



…ゆーたん、ひどい。




それにもめげずに、「萌え〜」を究めんとする26歳独身男。


…泣いたりなんかしないもん。


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さて、今回は「お絵かきの効果」についてです。

巷では「大人のぬりえ」が流行っていて、
いろんな出版社から多種多様に販売されていますね。

ちょっと前まで、ぬりえといえばお子様のあそび、
というイメージが付いていましたが、
意外にも脳全体を活性化させる事が出来るらしいのです。


細かい事は省略しますが、
「視覚の後頭葉」→「記憶の保管、図形の認識をする側頭葉」→
「思考、判断、想像、分析の前頭葉」→「筋肉を収縮させる頭頂葉」

といった具合だそうです。


多分、子どもなら脳の活性化の他にも
集中力や手先の器用さ、想像力を養う事が出来るのではないでしょうか。


★ お絵かきの落とし穴

「ぬりえでこれだけの効果があるのなら、
白紙の状態から描くお絵かきだったら
もっと素晴らしい効果が!」

…この考え方は間違ってはいないのですが、
ちょっとした落とし穴があるようです。


色彩心理学者である末永蒼生先生によると、

「テーマを与えて絵を描くことでは、
脳の発達効果は期待できません。
課題のあるものはむしろマイナスです。
乳幼児は、色彩感覚や情緒的な部分が育つ発達段階にありますが、
指示を出すとこうした情緒の部分が育ちにくくなるのです。
学校で図工や美術の授業を受けた結果、絵を描くことが嫌いになる
子どもはとても多いです。」


なんと、実はそうなんだそうです!

テーマを与えて絵を描かせるなんて、
保育所や幼稚園などでは日常茶飯事ですが
それでは、あれは一体なんのためだったんだろう、
という事になってしまうじゃないですか。


確かに、実際子ども達に
自由に絵を描かせている時と、課題を与えている時では
子ども達の表情はまるで違います。

前者は生き生きとした表情で描いているのに対し、
後者ではつまらなそうにしている事も結構あるものです。
しまいには「先生、もうあそんでいい?」と聞く始末。

もう、保育士としては自身喪失・意気消沈なワケですが、
これは子どもが望んでいない事をさせているからなんですね。

保育士サイドからすると、
「子どもが楽しまないのは保育士の力量不足!」であったり、
「物をじっと見ることで集中力が身に付く!」だったりするのですが、
色彩心理学者の先生が述べているとなると
ちょっと考え物かもしれません。


本当のところ、テーマのあるお絵かきをさせるのは、
大人のためである部分もあります。


描いた絵を保護者に見てもらう。
保護者はそれを見て、園で何をしているか知る事ができる。

あるいは、先生からの
「ほら、ちゃんと保育してるでしょ?」
という無言のアピールという一面もあったりします。


★ 上手なお絵かき

結構、子どもが描いた絵というのは理解しにくいものです。


例えば、ぐりぐりーっと何周も○を描いていたかと思ったら、
そこから勢い良く直線をひいて
「どかーん!どかーん!」
とか言ってる光景ありませんか?

おそらく、ぐりぐり描かれた○はウルトラマンか何かで、
直線は、スペシウム光線とかキン肉ビームとかブレストファイヤーとか、
まぁその辺が出ているのだと思います。

うん、多少マニアックですみません。


これは描いている光景を見ていたから
何を表現しているのか判ることであって、
なんの説明も無くその絵を見せられたら、多分、

「え、…何これ?」

と思うことでしょう。


こういう絵を見て、「絵が幼い」と表現する人もいます。
この人にとって「上手な絵」とは、
イコール大人が理解できる絵なのです。


そこで、大人が理解できるように
テーマを与えて描かせるわけです。

しかも、先生が色や形など細かく指示している場合も。

りんごは赤で、空は水色。
サツマイモには毛(細い根っこ)が生えている、という具合です。

おかげで子どもの描くサツマイモはゾウリムシみたいに。



「絵が幼い」「上手な絵」という判断は、
大人が描くような、一定のルールがある絵を
基準にしているのであって、
子どもの内的な面には触れていない
評価であることがほとんどです。

「上手な絵」は、子どもが何をどう感じたか、
つまり、感性という重要な要素を排除した結果
できあがる物である可能性があります。



そして、テーマを決めて描かせた絵は、
作品展など、みんなに見てもらえる場所に飾ってもらえます。

逆に、自分が表現したいものを気持ちのままに描いた絵は、
そのままお家にお持ち帰りなんて事も少なくありません。


子どもが本当にみんなに見てもらいたいと思うのは、どっちの絵なんでしょうね?



★ 絵を描く喜び

とはいえ、「物をしっかり見る集中力がつく」
というのを完全に否定する事はできません。

子どもが「描きたい」と思っていたとすれば、
集中力だってバツグンに身に付いていくと思いますし。


例え自分で描きたくて描いている絵がなぐり描きでも、
それはその子の発達に合った絵を描いています。

そして、描きたい絵を思う存分に描いて
「あー、楽しかった!」と満足できるくらい
絵を描く喜びを充分に味わっていった方が、
結果的には、後に上手な絵を描けるようになっていきますよ。


お絵かき自体にはとても良い効能がある事は確かなので、
楽しいお絵かきができるように大人としては心がけたいですね。



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★ 今日のポイント

・テーマを与えて描かせる絵は、
子どもの発達に合っておらず逆効果の場合もあります。
なぐり描きでも、自分の描きたいものを自由に描かせると
脳にはとっても良い刺激。


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★ 終わりに

今回の内容もずいぶん長めとなりましたね…。

実はこの後、「子どもが描いた絵で何が判るか?」など、
色彩心理のお話もしたかったのですが、
また次回に、という事で持ち越したいと思います。




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