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   『☆あそんでなんぼ☆8分でわかる子どものキモチ!』 第31号
                    男の子と女の子って、一緒なの?

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こんにちは!
子ども向けあそびユニット「早朝(ゾウサン)」の、
小倉げんきです。


お知らせです。
最近お知らせが多いのですが、とりあえずお知らせです。

前号の「直観力」が
「教育のまぐまぐ!」メルマガで取り上げられました。

今までに何度か「育児のまぐまぐ!」では取り上げていただいたのですが、
まさか教育の部門で扱っていただけるとは
思いもしませんでした。

それに伴って、読者様の人数が
なんだか急に増えたみたいです。

皆さんありがとうございます。
これからも頑張ります!



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さてさて、この話題に触れるのはちょと怖かった面もあったのですが、
今回は、子どもの気持ちを知るのにどうしても避けて通れない
「男の子と女の子の違い」を考えてみたいと思います。


「ジェンダーフリー」という概念がありますよね。

これはジェンダー(社会的に作られた性差)から
フリー(解放される)になるという意味合いです。

つまり、生来的なものではない
「男らしさ」「女らしさ」にこだわらないという事ですね。


他にも一般的に同じような感じで受け取られているのが
「男女共同参画」です。

2つとも「男女平等」という思想に基づいているところでは
とても素晴らしく、それに関しては僕自身としましても
ぜひ、もっと広まっていって欲しいと思います。


ただ、今の「ジェンダーフリー」には少し疑問を感じてもいます。

それは、科学的に証明された男女の違いに目を向けないで
扱われている事実があるからです。


本当に、本当に残念なことなんですが、
この「ジェンダーフリー」の概念が政治的に利用されたりして、
正しい知識が広まっていません。

そして、その事が原因で、
現実に子ども達に負担を負わせているのです。



★ 車とお人形さん

「車のオモチャ」と言えば、男の子のオモチャ。
「お人形さん」と言えば、女の子のオモチャ。

細かい事になってしまうんですが、
上記のように表すとジェンダーと言って良いでしょうね。

でも、
「車のオモチャ」は、男の子がよく好むオモチャ。
「お人形さん」は、女の子がよく好むオモチャ。

こう表すとジェンダーにはならないと、僕は考えます。

なぜなら、男の子が車を好み、女の子がお人形を好むのは、
生まれ付き備わっている傾向だからなんです。



実は、男性と女性では目の構造が違います。

ちょっとややこしいお話になりますが、
目の網膜にはM細胞P細胞がありまして、
M細胞は「物の位置や動き」を捉えます。
P細胞は「物の質感や色」を捉えます。

解剖学者のエドウィン・レパートは、
ここに男女の違いを発見しました。

男性の網膜にはM細胞が多く分布し、
女性の網膜にはP細胞が多かったのです。

これは人間だけではなく、
すべての動物に、オスとメスで同じ違いがあるのです。



★ お絵描き

すると、どういった違いが出てくるのでしょうか。


実際に僕の保育士時代の事ですが、
お絵描きで「運動会の様子」を子ども達と描いていた時の事です。

「物の質感や色」を捉える細胞を多く持つ女の子は、
みんなで作った万国旗を、カラフルな配色で描いている絵が
多く見られました。

対して「物の位置や動き」を捉える細胞を多く持つ男の子は
配色こそ鮮やかではありませんが、
かけっこの様子や、園庭に吹く「風」を描く絵が多く見られました。

自由なお絵描きをした場合には、
この違いはもっと判りやすくなります。

女の子が描く絵には、お姫様などが
暖かい色で表された、色とりどりの装飾品を付けている姿が。

対して男の子の絵には、2〜3色程度で、
ぐちゃぐちゃーっと線を引いて「ビームを出している」
「ジャンプしている」様子が描かれる事が。

心理学者のドナ・トゥーマンは、これを
「女の子は『名詞』を描き、男の子は『動詞』を描く」
と表現しています。


M細胞とP細胞の分布が男女で違うことを考えればこれは当然の事で、
さらに「車のオモチャ」「お人形さん」の好みに違いが出てくる事にも
なんとなく納得していただけるのではないでしょうか。

実際、児童心理学者のアン・キャンベルも、
自分の性別を認識していない生後9ヶ月の子ども達にも
男女で好みのオモチャの違いが存在する事を発見しています。

もちろん個人差がありますので、
男の子は絶対にお人形さんであそばない、
というワケではありませんが。



★ ジェンダーフリーの問題

でも、さきほどのお絵描きですが、
5歳児ほどになると、男の子でも絵の内容が変わってきます。

ここに「ジェンダーフリー」の問題が出てくるのです。

なぜなら、保育所や幼稚園の先生達の間では、
「丁寧に、明るい色を沢山使って描く」事が
「良い絵」とされているからです。

これによって、男の子達は
「自分が本当に描きたい絵は、先生が望んでいる絵じゃない」
と、先生の微妙な表情や言葉遣いから感じ取ります。

それを感じ取って、先生の好みに合わせて描き方を変え、
そして、お絵描きに対する興味を失っていきます。


お絵描きを好む子どもに女の子の方が多いのには、
実はそんな理由も潜んでいるんです。


もちろん、先生方に悪意があるワケではありません。
先生方は本当にそれが正しいと信じて、
善意でそうしているんです。

ただ現実として、今も昔も、保育所や幼稚園の先生は、
ほとんどが女性です。

現在の保育観は女性の感覚が基本になっているために、
「『動詞』を描く」事が良しとされにくいんですね。


「男の子も女の子もまったく一緒だ」という考え方のままでは、
子ども達のためにはならないんです。



★ 女の子として育てられた男の子

繰り返しお伝えしますが、
「男女平等」それ自体はとても素晴らしい考え方です。

明治時代に認められた女性の参政権だって、当然の事だと思います。
「男性と女性」ではなく、「人間と人間」であるべきです。

でも、男性と女性には違いがあるのも事実なんです。
この「違い」をきちんと受け入れてこそ、
本当の平等が見えてくるのだと思います。



「ジェンダー」という言葉を広めた
性科学者・心理学者のジョン・マネー博士は、

「生まれて18ヶ月以内の子どもの性自認は中立であり、
その間に養育上の性別と外性器の外見を一致させ、
第二次性徴とともに適当な性ホルモンを処方すれば、
生まれつきの性別とは無関係にその子の性自認を決定できる」と主張しました。

つまり、「男の子でも、女の子になれる」と言ったワケです。

その博士のもとに生後18ヶ月の男の子が連れ込まれました。
細かい事は省略しますが、
(詳しい事をお知りになりたい方は、コチラ
博士はその子に性転換手術を施して、女の子として育てるように勧めました。

しかし、人為的に作られた性同一性障害とも言える状態のこの人物は、
結局14歳の時から男性として生活を送るようになりました。

そして、38歳の時、自らの命を絶つ事になってしまったのです。



そして、もう一つ。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
男性と女性の性役割が、通常と完全に逆転している唯一の事例として
日本に伝わっていた「チャンプリ族」。

これをそのまま信じると、ジョン・マネー博士の主張に
通じるところがあるのですが、実はこれは誤った解釈だったんです。

「チャンプリ族」の男女逆転社会は、すでに完全に否定されているのですが、
残念なことに、日本ではあまり広まっていません。



上の例をあげたのは、男性と女性には
れっきとした、生まれ付いての違いがある事を知ってもらえれば、
という思いからです。

もちろん、「男性優位社会」「女性優位社会」どちらも
僕は推進するつもりはありません。
男性も女性も対等であるべきです。

対等であるために、お互いの違いを
きちんと知る事が大切だと思うんです。

そして、それが結局は、
子ども達が幸せに生きる社会をつくる事に
つながるのだと思います。



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★ 今日のポイント

・男の子の目には「物の位置や動き」を捉えるM細胞が、女の子の目には
 「物の質感や色」を捉えるP細胞が多く分布しています。
・男女には生まれ付いての違いがあります。その事を充分知って、
 子育てをしていきたいですね。

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★ 終わりに

日本のジェンダー論の広まり方を考慮してみて、
この話題を扱うのに正直ちょっとドキドキだったのですが、
皆さんいかがだったでしょうか。

実は見え方以外にも、男女では聞こえ方、脳の発達順序、
脳の使い方、危険への対処の仕方などなど違う点はたくさんあります。

もしもご要望があれば、こういった男女の違いを、
きちんとした研究者の事例を織り交ぜて、他にもご紹介したいと思います。

ぜひ、ご意見を zousan20060730@hotmail.co.jp まで
メールしていただけると嬉しいです。




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