観察学習

   「観察学習」とは、他者(モデル)を観察することで行動を真似して学習することです。
 「観察学習」」のメカニズムには、4つの過程があります。
「注意過程」「記憶過程」「運動再生過程」「動機付け過程」です。

 まず「注意過程」ですが、これは観察者がモデルの行動に注目する過程です。

 例えば、子どもが「ドアのノブを下げると、ドアが開く」ことを観察学習する場合、「モデルがドアノブを下げている」事に子どもが気付いていなければ、真似をしようとは思わないワケです。


 次に「記憶過程」です。

 その後、普段の生活の中で、子どもは「大人がドアノブを下げる」行為や「ガチャっ」とドアが開く音、ドアが開いていく様子、ドアを開けた後に聞こえてくる音や気温などの変化のイメージを頭の中で繰り返し再生させます。

 そうする事で、「記憶」としてしっかりと焼き付きます。


 そして「運動再生過程」です。

 これがいわゆる「真似」の段階なんですが、実際に自分で「ドアノブを下げる→ドアが開く」の関連を確かめてみます。

 すると、ドアが開く音、ドアが開いていく様子、音や気温などの変化という「結果」が確認されます。


 「動機付け過程」では、この「結果」が子どもにとって、「面白い」とか「メリットになる」などの良い結果であった場合、さらに同じ行動を繰り返す要因(動機)になります。

 逆に、「何度ドアノブを下げてもドアが開かない!」ですとか、「ドアを開けた途端に、もの凄い異臭が漂ってくる!」ですとか嫌な結果だった場合、同じ行動は繰り返さなくなっていきます。

 いや、まぁ、ドアを開けた途端にもの凄い異臭がする状況なんて、ちょっとただ事ではないんですけど。