分化

   発達心理学においての分化とは、主に自他の分化のことを指します。

 生まれてからしばらくの間、赤ちゃんは自分とそれ以外のすべてのモノとの境界が判っていません。
 それが様々に経験を繰り返していくにつれ(自分で自分の顔を触ると、「触った感覚」と「触られた感覚」が同時にありますが、人に顔をさわられても「触られた感覚」しかない、など)、自分とそれ以外のモノの区別がついていくようになります。

 また、養育者との関わりも条件とされていて、飢えや渇きの欲求が満たされている状態では母子一体(未分化)の状態ですが、次第にすぐに欲求が満たされない時や、その他の不快経験を重ねることで、感覚や行動の主体としての自己が芽生えてきます。

 一般的には、生後3ヶ月頃が自己の芽生えと言われています。
 そして、「自分と相手の違い」がよく判ってくるのは、1歳2ヶ月頃からと言われています。