愛着

   イギリスの医師、精神分析家で、さらに「母子間の絆」研究の開拓者であるジョン・ボウルビィは「愛着」を「ある特定の人間もしくは動物と、他の特定の人間もしくは動物との間に形成されている情愛の絆」としています。
 まぁ、一言で「愛情の絆」と言って良いと思います。

 さらにエインズワースは、「愛着」の特色を
・愛情を暗に含む
・特異的、弁別的(他の人と区別する)
・観測可能
・主体的な過程であって、受動的でない
・二方向的な過程(お互いに関わる)

としました。

 特定の人への愛着は、どのような形の愛着であれ、生涯にわたって維持される永続的なものです。
 そして、形成された愛着を基にして、きょうだいや友だちにも愛着が広がっていきます。それが信頼関係を築いていくことになります。
 さらに、今度はその信頼関係を築いた経験を基にして、初めて会う人などとの関係を作っていきます。

 つまり、「愛着」は、対人能力の基盤になるという事ですね。

 親子関係においては大抵の場合なんらかの愛着が生まれますが、ただ、「健全な愛着」「不健全な愛着」と区別はされます。
 エインズワースの観察結果では、「健全な愛着」を形成する母親は、子どものシグナルに敏感に反応し、適切な対応をとっていることが判りました。